Canape

ブルーム・オブ・イエスタディのCanapeのレビュー・感想・評価

3.4
アウシュビッツの研究チームにいるトトとインターンのザジを通して見る先代が彼らに残す心の傷。病み病みの病みで、闇闇の闇です。どこからがタブーでボーダーなのかも分からないほど一言が情緒不安定にさせ、何が正解でどう話していいのかかわからない。が、対するトトも然り。ポップに入れてくる笑っていいのか悪いやらのブラックユーモアの連発。彼らの気持ちを理解することは不可能だろう。生き物に対する人とも思えぬ行為にも目を塞ぎたくなる。共感とは無縁、緩やかに解かれ近づいた関係性が正しいとは思わない。でも必然だったのかもしれない。過去が繋いだ運命によって一つ何かが変わったことは事実。結果、それが良かったか悪かったかもわからない。ただ、どんな時代でも人は前に進んでいかなければならなくて、時間と共に心も体も解き放たれていく。初めて会った時とは別人の、清々しさと余裕さえ感じるザジが印象的。サクッと見れるようで割に重たく、精神状態によってはかなりのダメージを残すと思います。注意。
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