FREDDY

ブルーム・オブ・イエスタディのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

クリス・クラウス監督が"ホロコースト"という重い題材をユーモアや恋愛要素を交えて描いた恋愛作品ということで。印象としては、トトを演じたラース・アイディンガーやバルタザールを演じたヤン・ヨーゼフ・リーファース、ハンナを演じたハンナー・ヘルツシュプルンクなどといったキャスト陣は魅力的でしたし、目に残るものがあり好感触といったところ。中でも、ザジを演じたアデル・エネルはとても印象的で、演技力は抜群で気づけば彼女から目が離せなくなるほどで、最後まで魅了されましたし、とくに彼女の真っ直ぐな視線に圧倒されるシーンが多々あり、思わず演技に見入ってしまいました。そして、祖父がナチスドイツの戦犯であるドイツ人男性トトと、祖母がナチスドイツの犠牲になったフランス人女性ザジを軸に描かれる物語は"ホロコースト"といった重い題材を扱いながらも"ブラックユーモアのきいた恋愛映画"として視聴ができましたし、風変わりな2人が払拭できない過去や抱えている悩みと向き合い、挫折を繰り返しながらも互いを想い合い、克服しようと不器用なりに前向きになる様子に複雑な感情を抱いたものの、不思議と2人を応援してしまうような気持ちにもなりました。ただ、本作で描かれている恋愛模様に共感することは難しいかもしれませんし、トトとザジの人物像や2人の妙な距離感と関係性を理解し、独特な雰囲気の中に映し出される恋愛ドラマに入り込まないと面白さはわからないかもしれませんね。なので、決して悪い作品ではないのだが、オススメは難しいかと。
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