HollyGolightly

サーミの血のHollyGolightlyのレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
4.1
サーミ人=ラップ人、ラップは蔑称だと初めて知った。

サーミ人の女の子がサーミを捨てようと奮闘するものの、スウェーデン人にはなぜかすぐばれてしまう。あれなんで二クラスの親にバレちゃったのかね。

スウェーデンの元で同化政策が行われ、サーミ語は使用禁止、スウェーデンを讃える歌でどこに属してるのかをわからせようとして。

エヴォリューショニズムの影響と思われる、「科学的」研究結果によって劣等民族扱いを受けたのはサーミ人だけじゃない。
お前たちは白人より劣っている存在or文化的希少価値があるから守ってね、研究対象でもあるよ、なんて冗談じゃないよね。

自分たちと異なるものへの態度って、否定か、剥き出しの好奇心を向けられるかのどちらかに偏りがちで、例えばサーミ人の場合は、スウェーデンへの同化政策をとられると同時に、人類学調査もされている。先生は「あなたたちは人種的にスウェーデン人より劣っているの」と言いながら、「あなたたちの伝統を守らなきゃ」とも言う。そこに価値を見出しているかのように。

自分たちの中にまだこんな未開が残っていたんだという発見、完全なる他者への眼差し。そこは文化人類学のジレンマでもあるけど。