北欧の少数遊牧民族について全く知らなかったので興味があってアナ雪2を観る前に鑑賞。スウェーデンの美しく厳しい自然と、ヨイクのメロディが印象的だった。
当時の差別の描写は衝撃的。どうしようもなさを知って自分を偽り出自を捨てる決意をするつらさどれほどだったのかと。
民族衣装を脱ぎ盗んだ服で紛れ込んだパーティで名前をきかれ、とっさに女教師の名前を騙ったのに悲しみを感じた。差別に怒りを感じただろう。でも生まれた時から当たり前に存在する差別に対して抗う事は思い至れただろうか？
盗んだワンピースを着て、女性として扱われ、始めて感じた高揚と、サーミ人である事を知られてあっさりと切り捨てられる絶望。その落差が大きかったほど人間らしく差別される事なく生きることへの渇望が湧いてきたんだろうな。
エレ・マニャがどのようにしてその後を生きたのかはわからなかったけど、どれほどの思いがあったのか、それが少しはわかるから親族も無闇に排除はできなかったのかも。
