フワッティー

サーミの血のフワッティーのネタバレレビュー・内容・結末

サーミの血(2016年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

ふらりとパーティーに立ち寄ったのは逃避行であるが、街へ繰り出したのは違う。

エレ・マリャは耳を切られ、裸にされて写真を撮られ、屈辱的な思いから、逃げ出したくなりパーティーへ参加する。そこでシティーボーイのスウェーデン人と恋に落ちるも、すぐに幸せな時間から引き剥がされる。その後進学したい旨を伝えるも、頭脳が劣るため推薦状は書けないと告げられ、彼を頼りに街へ出ることに決める。

自分はこれが逃避のようには感じられなかった。これはクリスティーナの強い決意なのだ。サーミとして生きていく人生を厭っており、自分は変わりたいという意志と強さを持っていたからなのだろう。

しかし、クリスティーナはラップランド人であることから簡単には生きていけないと悟る。だからタイトルは『サーミの"血"』なのだ。どれだけ強くても、スウェーデン人の中で生活することができても、血統から逃れることはできない。

彼女は最後に棺の中の妹と対面し何を思っただろうか。サーミであることを受け入れ、差別に耐える人生を送ることを選択した妹に想いをはせ、エレ・マリャは懐かしい地を踏みしめるのだった。
フワッティー

フワッティー