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THE BATMAN-ザ・バットマンーのヒデオのレビュー・感想・評価

2.7
物語の見せ方を知らない演出家と脚本家がついてしまったのかな、と思うくらい配役・素材・映像技術者の最高のメンツ全てを無に帰した史上最低なバットマンとして記録しておきたいですね。

手放しで誉めている意見が全く理解できないほど素晴らしくナラティブがクソでしたありがとうございます(こっからネタバレです)つまり。この映画を評価する意見は大まかに二分化されてるといえます。それは「ビジュアルクールネス」と「演出」です。

前半1時間、史上最高にダークでコミック忠実なモノトーンの描写が続きます。私が見た古い設備の映画館では、見るのを諦めるほどの暗さで描き出されており、なんかほんとカメラを始めて使ったんかぐらい暗い映像から始まるわけですがその違和感は氷を溶かすようにその後のプレゼンテーションによってゆっくりと消えていき、この暗く重厚な(かんのある)探偵小説へ導入されていくわけです。

んで、若き日のバットマン。これまでのシリーズを見てる方にわかりやすくいえば、バットマンビギンズの修行前のような厨二病の主人公も、全てコミックらしい切り出し方で美しく、ダークトーンのミステリーとして素晴らしかったです。

ditective comicに立ち返るコンセプトも見事に明示されておりました。全バットマン映画の中でとことん静かな展開であり、展開と展開の間のゆっくりさも、探偵小説としての体を保っており、つまりこの試みは成功していると見ます。そのダークトーンを実現したことで、多くのファンが映画としてのビジュアル的なクールネスがあると言う点でこの映画を評価している意見が多いように見受けられます。

2点目の演出ですが、、結論から言うとこの映画は演出がダセーのです...バットマンが自分の復讐のためにバットマンになった、そこから脱するシーンが「高いところから落ちる」なのですが、高いところからただ落ちる(下は水なので絶対にしなない)というシーンで、わざわざ感動的な音楽をつけてスローモ にして落ちるシーン...だせぇ...え、待ってまじかよこれがある時点で最低評価してもいいんだけど?というくらいだせーのですが、まじかよっていう感じでだせえっす...あと、ゾーイクラビッツとのツーリングシーン、、、右折と左折で3分縮められたよね?って言うあのシーンがある中で、もう一回ですが、手放しで喜んでる、まじすか?、、ってすいませんけど思います。あ、あと刑務所の隣のよくわかんかいやつのシーン。あれほどしらんがな、って突っ込むシーンないすわ。

私がこんなにしょうもない文章を書く前に書いている方曰く「最高の食材で、最高の調理法見せられ、最後にレトルト食品だされた」と書いていらっしゃるのですが一番秀逸だとおもいます。つまりクールネスは存分にあり、それは開始1時間で味わえる。その味に痺れて何にも感じない人はいいでしょうが、その後のドラマの演出のダサさが気になる方はしんどいでしょう。つー映画です。

ちなみにその後ノーラン版ダークナイト見ましたが、初見の鑑賞者が突っ込んでる内容が「(あーたしかに)」とおもうこと多々あり...だけどナラティブの説得力があるか、が映画の魅力に直結するなら、やはり今回のtheは微妙でした。

(あと。エンドロールで7万回目のテーマタイトルが流れた時にとなりの鑑賞者が笑ってる時点であちゃーって思いました。何回デンデデンデンすんねん)
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