マテ

THE BATMAN-ザ・バットマンーのマテのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

濁流の中で発煙筒を掲げるところ、泥だらけになって救助活動の手助けをするところがよかった。超人血清を打ったわけでも、クモに噛まれたわけでも、空飛ぶスーツを持っているわけでもない「ただの人間」の戦い方という感じがして胸に響く。そうか、君は人間なのか、と。
リドラーはブルースによく似ていて、まるで鏡のようだった。ブルースがギリギリのところを「こちら側」に留まれていたのは、復讐に囚われていたからこそなのかもしれない。これからは少しだけ自由に、日光のもとに踏み出していってくれればいいな。
これまでバットマンを好きになったことはなかったのだけれど、このバットマンは好きだった。なんとなく少しだけ、彼のことを理解できたようにも思える。良くも悪くも人間らしく、アイコニックなヒーロー像とは程遠い。でも、予告の「彼の本性とは?」に答えるならば、今作のバットマンは「迷い苦しみもがきながらも戦うことを選択したひとりの人間」だったと思う。
マテ

マテ