マテ

DUNE/デューン 砂の惑星のマテのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
2.6
端的に言って好きじゃない。
音楽と映像だけは壮大だけれど、それ以外がすべて薄っぺらい。そのアンバランスさが神経を逆撫でする。全く心が動かされず、登場人物たちの切実さもまるで感じられない。全員が全員、ただの舞台装置に見える。途中からイラついてきて、終わるのをひたすら待ち続けた。
アカデミー賞受賞作品というからそれなりの期待はしていたが、受賞部門が映像、音楽、美術辺りなのでお察しではある。つまり、映像表現が多少拙かろうが、物語に惚れ込み、答えのない複雑なテーマについて考えるのを楽しみ、キャラクターの感情の機敏にエモさを見出すタイプの私のようなオタクとは相性が悪い。
お金かけてるんだろうなということだけは伝わってくる。でもお金をかければいいってもんじゃないでしょ。物語の導入をこれほど冗長に描写するのは、映画が映画館で観るものだったから許されてきたことなんだろうな。でもそれって、ちょっと甘えすぎじゃない?
この物語の魅力を伝えようとする努力や誠実さがまるで感じられない。胸倉をグッと掴んで引き込んでほしいんだよ、私は。既存の原作ファンのためだけの映画じゃなくて、新規を虜にする映画を作ってくれ。この作品のどういうところが好きだから映画にしたいと思ったのか、その熱い想いを伝えてよ。
2時間半以上あってもそれをしてくれない以上、私のための映画ではなかった。楽しみたいなら原作を読んだ方が良さそうだな。
ティモシー・シャラメやゼンデイヤが好きならいいかもしれないが、あいにく私はそうではない。というか役者が好きなら楽しめるっていうのも、それはそれで問題大アリな気がするんだけど(あまりに好みじゃなさすぎて文句しか湧いてこない)。
マテ

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