徹底した世界観──「ゴッサムシティ」の作り込みが毎度素晴らしい。特に初めから最後まで徹底した暗黒を貫くスタイルは観るものに緊張感を強い、また作品に洗練した印象を与えてくれる。
一方唯一明るいシーンがラスト、夜明け(?)後の街。ダークナイトの「夜明け前が一番暗い」はまさに。視覚的にもハッピーエンドの爽快感をダイレクトに感じる。
前半はやや冗長に感じなくもない。しかしその丁寧さあっての後半とも言える。とにかく、後半から山場が幾つかあり、特に残り30分からの展開には目が回る思いだった。
サスペンスとして非常に楽しいのだがアクション面もいい。個人的に今回のカーチェイスはかなりかっこよかった。このサスペンスとアクションの融合、静かに熱くなれるバッドマンの醍醐味は確かに。