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THE BATMAN-ザ・バットマンーのUguniaのレビュー・感想・評価

2.0
ダークナイトが大好きな作品の一つであるため、
ある種対比とされた『サ・バットマン』楽しみに取っておいた作品でした。
評価も高くボリュームもあったので面白いことほぼ確定であると。

3時間という場合によっては2本分とも成り得る時間の中、
今作で引き込まれる場面は全くなかったです。
雰囲気や俳優さん、演技などは十分に魅力がありました。

強いて言うならこの話≪キャット≫が凄く邪魔でした。

この話で期待していたのは≪ジョーカー≫に出会う前の≪バットマン≫
つまり、ジョーカーを倒す者となり 街を守る者になるまでのお話。
ゴッサムは犯罪者だけが幅を利かせているわけではなく、
そこには最早 正義も悪もなく 街そのものが腐りきっていたと。
それはありました。
ですが、バットマンの苦悩や葛藤、内に秘める狂気が薄すぎました。
キャットと見つめ合い、イチャイチャとキスしてる時間があるなら
悪人を、父親の仇を己の手で殺せない苦悩を全面に見せてほしかった。

暗く淀んだ夜のゴッサムで 真っ黒な雨を浴びて
スーツに付いた返り血が洗い流され 再び街に帰る様を眺めながら
心の底から叫んで欲しかった。
(もちろんキャット無しで)

なぜ今作のバットマンは
”相手を殺しては自らも同じところまで落ちてしまう”
これを既に理解しキャットに諭すこともでき、
かつ最後まで信念を突き通すことができているのかよく分かりません。

バットマンが苦しんで悩み続け、狂気を孕み育てた末に
ジョーカーと出会ってほしい。
それがジョーカーをより大きなモノとし、それを乗り越えた先に
バットマンも強くなれるのだから。

(個人的感想です)
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