Osamu

汚れたミルク/あるセールスマンの告発のOsamuのレビュー・感想・評価

4.0
なかなか、なかなかだった。そう来るか、とうなった。表現するのが難しいけど、おもしろい作りの映画だった。

パキスタンの粉ミルクの営業マンが勤めていた多国籍企業の悪を告発して闘う物語。実話がベース。

主人公は医師に金品を贈り、粉ミルクを過剰に処方させるという会社の販売促進方針に従って猛烈に働く。

しかし、清潔な水が買えない貧しい母親が不衛生な水で粉ミルクを溶かすから赤ちゃんが下痢を起こし死んでしまうという最悪の事態も起きていた。

それを知った主人公が会社を辞めて告発するというのが物語の軸だ。

この事件を映画化しようする制作側と主人公がSkypeで打合せをしているシーンから始まり、主人公が事件の事実関係を説明する語りで物語が進んでいく。よくある構造と言えばそうなんだけど…、ここがうまい。

この映画は2014年の制作だけど、今回の日本公開が世界初なんだそうだ。3年も経っている。実在の多国籍企業が関わっているから扱いが難しかったのか。何らかの圧力がかかったのでは、と勘ぐってしまう。
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