TOT

汚れたミルク/あるセールスマンの告発のTOTのレビュー・感想・評価

3.7
シリアス一辺倒かと思いきや軽妙で巧妙な、ノンフィクションに向かうためのフィクション。
開始早々に不思議な映画だなと思った。
主軸は、主人公のセールスマンとしてのサクセスストーリーで、新婚の甘い日々を彩る華やかな音楽も楽しい。
しかし、そこに度々挿入される、企業の実名やメタ視点、実際の被害者映像、サスペンスめいた展開に自分が何を見ているか分からなくなり、事件の真相が見えてくるや、演出の意図がわかり、ザラザラと砂を噛むような現実の重さがズシンと来る。
ギリギリの演出と思う部分もあったけど、観客はきっと受け取るだろうとメッセージを投げている気がした。
映画って自由だね、いいね。
TOT

TOT