きゃーみ

わたしたちのきゃーみのレビュー・感想・評価

わたしたち(2016年製作の映画)
4.3
この映画は私にとって韓国の芸術性を知ることになった初めての作品だ。8年ほど前に地元のこぢんまりとした映画館の、小さなスクリーンで見て、その言語だったり世界観だったりに圧倒されたことを覚えている。是枝裕和監督が薦めていたことがきっかけ。

それで今回久方ぶり、2回目の鑑賞だったわけだが、あらためて感服した。
カメラワーク、俳優たちの演技力、脚本、撮る側の優しい眼差し…。最後の終わり方も秀逸だ。

内容は、思春期前の微妙な頃合の友達関係である。韓国の社会性(学歴社会しかり)を背景に、親への愛着が満たされない子たちのうっぷんが複雑に絡み合う。
そんな中、主役のソンは自分らしさを保ちながら模索し、前へと歩を進める。とにかく凛としているのだ。私自身の当時をえぐられながらも、ソンに勇気づけられた。
きゃーみ

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