これは静かなる"怒り"の物語。
台詞は極端に少ない。
だからこそ、息遣い、呻き、叫びの
力強さで最後まで惹きつけられる作品。
古来、日本でも山は神聖であり、
恐れられる場所でもあるよね。
先祖代々から受け継がれた
山に住む一族。
作物も育たず、土地を去る人々。
娘の墓もあるから。と、
その場所を離れなかったある家族の物語。
貧相な作物を荷車に乗せ村を訪れるが、
そこで待ち受けるのは山の民に対する
迫害だ。"邪眼"と忌み嫌われ蔑まれる。
単なる山登りの映画やと思って
観始めたから、静かなる重さに
びっくりしちゃった。
NOT!山登り映画!!
岩肌が剥き出しになっている山の雄大さ。
そして畏怖の念さえも感じる厳粛な山。
カラーからモノクロへの変化。
そしてまたカラーに変化していく様が
思わず唸る。
そして最後に現れるタイトルと
無音のエンドロール...。
これは人の意思か神の意思かー。
無音のエンドロールを見つめながら、
考えてしまった。