史上最高のホームズ役者ベイジル・ラズボーン主演のシリーズ第一弾。同原作(1902)映画化の決定版と言われている。監督のシドニー・ランフィールドはテレビ畑の職人。
ビクトリア朝時代のイギリス南部。岩と湿地が広がるダートムーア地域の富豪バスカヴィル家で、当主チャールズ卿が謎の死を遂げる。死因は心臓発作とされたが、死体のそばには犬の足跡があった。卿の友人モーティマー医師は名探偵ホームズ(ベイジル・ラスボーン)に事件の調査を依頼。実はバスカヴィル家には魔の犬の呪いの伝説があり、後継者となる甥ヘンリーの身を案じているというのだ。別の事件に取り組んでいたホームズは代わりにワトソン博士をバスカヴィル家に送るのだが。。。
スマートでカッコいいホームズだった。霧深い湿地帯のセットは雰囲気抜群で、牙をむいた“魔犬”のアップもインパクトあり。ただ、折角の怪奇ムードなのに本編中に劇伴がないのが残念。そのためか、ラストもアッサリと感じてしまい個人的には少々物足りなかった。
ベイジル・ラスボーンとワトソン役 ナイジェル・ブルースのコンビは、本作を皮切りに1939年から1946年まで14本のホームズ映画に主演した。戦時中だったため日本では全作品未公開。