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なっちゃんはまだ新宿の8bitのレビュー・感想・評価

なっちゃんはまだ新宿(2016年製作の映画)
4.0
最後の最後まで、予想の斜め上を行っていた。
キラキラの青春映画だと思っていたのに。

秋乃はひそかに思いを寄せる同級生〝岡田〟の彼女〝なっちゃん〟が気になって仕方なくて仕方なくて。
彼女の中の完璧な〝なっちゃん〟が自分の部屋に現れては消える。
可愛くて、小顔で、肌も綺麗で、髪もつやつやで、スタイルもよくて、日傘をさしてる。
自分とは正反対の存在。その〝なっちゃん〟が自分にとってかけがえのない存在になったときに、〝岡田〟が〝なっちゃん〟と別れた!
ついに岡田と付き合うことになった秋乃。やがて高校を卒業した二人は上京。そして10年後。
秋乃は新宿で地下アイドルとして活動する本物の〝なっちゃん〟と出会ってしまう…。

ひとりの女の子が自らの過去に決着をつけるための、10年に及ぶ物語。
青春時代ってただの甘酸っぱい思い出では終わってなくて、どこかで現在進行形の部分があったりする。
秋乃はそこを拗らせちゃったっぽくてちょっと怖いんだけど、どこか自分にも重なる気がしてなかなか刺さるものがあった。
そんな彼女を見守る同級生バンドのPOLTAの視線と歌が優しくて救われる。
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