emily

シークレット・ファミリー ザ・トゥルーストーリーのemilyのレビュー・感想・評価

2.7
 自動車ディーラーのアルマンドは、一見ハンサムで女にもてるし、よく気が付き周りからも愛されていた。しかし別の顔は女達を地下室に監禁し、”妻”役を強いていた。弟も無理やり共犯にさせられ、面倒を見させていた。監禁女性達の一人が妊娠し・・

 外の顔はいい人でハンサム。女の懐にするっと入る。監禁女性達は同じ部屋で過ごしているため、三人の間で、嫉妬や苛立ち、またあるときは共謀し、閉鎖空間で男の知らない世界が出来上がっていく。地下から地上へ、そうして舞い戻る。女性三人の美しさは監禁部屋でも煌びやかに映されており、痛みや肉体的虐待の描写は少ない。しかしそこには精神的な苦痛の重みがしっかり潜んでおり、駆け引きに駆け引きが交差するが、実話ベースなので描写の弱さが返ってリアリティを増してるように思える。

 男の母親に対するトラウマが”家族を作る”事に執着させていたようだが、何も分からないままあっけなくラストを迎える。兄に頭があがらない弟が本作で何の役にも立っておらず、ドラマティックな展開も見せない存在なのも面白い
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