ケイ

blank13のケイのネタバレレビュー・内容・結末

blank13(2017年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

念のためネタバレ予防

私には縁が無くても、よく聞くような、そんな人間とか家族とかの話で

最初の告別式のシーンが印象に残って、あ、続き見ていこって惹きつけられる感じがして良かった

クズな人間がいなくなって、
残された片親が朝も夜もボロボロになって働いていて、それがかっこいいだなんて思ってもいけない。
子どもはクズにも期待する。子どもは大人になることを強いられて、苦労して、なのに嫌いになりきれなくて。
でもどうしようも無いことも救いもないことも、現場でよく見る。

寂れた街の風景や古びた病院、情景描写がめちゃくちゃ好みだった。絶妙に暗くてレトロな感じに映ってるのも
音楽も良い

参列者の個性強過ぎて泣き笑いながら見てたんだけど、どうせ他人事だから泣いたり笑ったりしちゃうんだろうな。
借金取りって告別式来るんか?

どんな人もいつか死ぬし、死んだらそのままにはしておけない。
嫌々ながらに葬儀をしてくれる子どもがいるだけ良いのかもしれない。常識もクソも無い参列者でもいてくれるだけ良いのかもしれない。
社会的に孤独な人間はどこまでも孤独だから、怖くなってしまった。

常識的にどうなのよって人が参列しにきて語り手になってくれたおかげで、
停滞していたものがゆっくり流れ始めていく感じが良かった

子どもの頃にお寺さんで長く黙ってお経を聞いて待ってなきゃいけなかったのがしんどくて、
大人たちが泣いてるのを見ていると悲しくて、そんなことを思い出した。

ラストシーンの美しさ、ずるいな〜
ケイ

ケイ