LEONkei

姉と過ごした最後の夏のLEONkeiのレビュー・感想・評価

姉と過ごした最後の夏(2017年製作の映画)
2.8
ココロの片隅に閉ざされていた優しさを、姉が思い出させてくれた最後の夏に。

鴨の羽色のような深森の隙間から射す陽光を頼りに歩く姉妹、招かれる客と招かれざる客の歩幅は異なる。


この世に産まれて来た自由がないのなら、せめてこの世から旅立つ自由は自分の意思で行使したい。

それは絶望に押し潰され最悪最低の不幸の沼に浸かっているからでも、すべてを成し遂げ充実した最良最高の幸せに満ちているからでもない。

全てを悟ったときこそ背負った荷を静かに下ろし、自分なら多幸感を探す旅立ちの準備を自らするだろう。


姉〝エヴァ・グリーン〟の頑強な眼光は次第に穏やかになり、妹〝アリシア・ヴィキャンデル〟の乾いた瞳は次第に潤う、〝シャーロット・ランプリング〟は姉妹を遠くから虚飾のない眼差しで静観する。


渾然一体の生と死、生まれたことに祝福されるなら望んで死ぬことにも祝意を表す。

人間は結局のところ寛容の情がすべてを癒し多幸感へ導く、近づく旅立ちの日は自分で決めたい..★,
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