きえ

ゲット・アウトのきえのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
4.0
同じ公開日の『ブレードランナー2049』を尻目に、まずはこちらを鑑賞。劇場予告で散々煽られてたので居ても立ってもいられず…笑

公開初日なのでレビューの書き方が難しいですけど、まず一言で言うなら『単純に面白かった‼︎』

最初っから最後まで不穏な世界観で、時折プラスされるここぞとばかりの驚かせ音や、主人公でなくても『何かがおかしい』感が過剰に漂うB級映画の装いなのに何故か最後まで前のめって見てしまう不思議な吸引力の作品だった。

描かれるのは"白対黒"なのだけど、この話の本質は"白対黄色"でも"黄色対黒"でもありな話で、人種的特徴(それは偏見でもあるのだけど)とコンプレックスに着目した奇想天外なブラックストーリー。

前半はひたすら??で、その?の謎を知りたい欲を目一杯煽ってくれる。散りばめられた伏線の数々を後半で一気に回収して行き『あぁそう言う事だったのね』とスッキリさせてくれるとても見やすい構造。前半の不穏さ一色から後半はガラッと色が変わりバイオレンスな展開に… この先は是非劇場で。

この作品が今までの人種差別映画と何が違うかと言うと『差別していると思ってない差別』と言うか、普通の善良な人間の中に潜む傲慢さや優越感と言った意識が、直接的に酷い態度や言葉を使わないまでも被差別者を傷付け疎外していると言う、表向きは差別はNOと言いながらもその意識は上から目線だったりする人間のあるあるな姿を思いっきり風刺している点。

そんな意識こそゲット・アウトだけど、そう言いながら私自身にもそう言う意識がないとは言えない。現に描かれるのと同じ様な偏見持ってると思ったもん。そんな自分をゲット・アウトだ!
きえ

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