なんとも気味の悪いスリラーでしたね。顔が怖いよ顔が。表情での演技合戦が凄かった。一応人種差別的な部分をテーマにしつつ、それ自体をミスリードとして使っていたりする中々に深い構造になった映画だった。差別的な思考というのは実は色んな形をもち、どんな視点からも潜在的に存在する可能性があると提示されたような、まあ深く考え出すと難しい方向にいっちゃうけど、エンターテイメントとしてもしっかり完成されていて。不気味な雰囲気と役者の演技で、何だよこれどうなってくの…？という嫌なまとわりつく恐怖感が続き、最終的になんともおぞましい真実へと辿り着く。途中に散りばめられた伏線もきちんと回収される。しかし肌の色の違いというそれだけの間に、未だある深い溝とその闇を垣間見たというか、そこをスリラーとして話の真ん中に持ってきたこの映画凄いなと思ったり。まあ色んな意味で後味の悪さが残る映画でした。鹿の角怖い。
