Sari

デヴィッド・リンチ:アートライフのSariのレビュー・感想・評価

3.9
2018/02/27 名古屋シネマテーク

ハリウッドヒルズにある自宅兼アトリエでの25時間にも及んだインタビューを軸に、彼の創作の源流を辿る。
小さな田舎町で家族と過ごした幼少期から青年期のエピソードを、時に自身のアート作品を創る過程を見せながら『イレイザーヘッド』を完成させるまでをリンチ自身語るドキュメンタリー。
冒頭シーンから煙草の煙に包まれながら語る姿が渋く、そのオーラに圧倒される。





幼い頃、母親は弟と妹には与えたクレヨンを、敢えてリンチには与えなかったと言う。
母は早くも、人には無い彼独自の才能に気付いていた様だ。
幼い頃に観た悪夢の記憶を辿って語るリンチ。
その世界は怖いけれど怪しく惹きつけられ、これは『ブルーヴェルヴェット』の世界観そのままでは…?と思って観ていた。
デヴィッド・リンチと言うアーティストは幼少期から確立されていたのだ、と気付く瞬間だった。
芸術家としての在り方や苦悩を語る一方で、幼い娘(孫と見間違えるほど)と遊ぶ朗らかな人柄も垣間見える。
デヴィッド・リンチはやはり、期待を裏切らない独自の感性や価値観を持っていた。
私は'97の『ロスト・ハイウェイ』を劇場で観たのが最初の出会いで、当時観たきりなので久しぶりにもう一度観たくなった!
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