映画大好きそーやさん

サンタのオモチャ工房の映画大好きそーやさんのレビュー・感想・評価

サンタのオモチャ工房(1932年製作の映画)
3.3
サンタクロースのドタバタクリスマス!
終始画面は賑やかかつ華やかで楽しいですし、音楽とアニメーションがよくマッチしていて観ているだけで笑顔になれます。
コミカルな動き、表情の変化はまさにディズニー節炸裂といった具合で、ショートフィルムながら大きな満足感をもって鑑賞し終えることができます。
ただDisney+で観ると出てくる警告文、注意書きにて指摘された差別的な描写が、本編ではカットされていることが個人的には疑問に思う部分で、そう非を認めるなら戒めや決意表明としてその部分は残しておくべきだと思いました。
負の遺産は残してこそ、同じ轍を踏まないようにと、今後の世代に教えられるものだと、私は考えています。
消して、楽しい美談にする。
表面上はそうなるかもしれませんが、とどのつまり過去は消えません。
文章より鮮烈に記憶に残るのは、やはり映像、アニメーションでしょう。
アニメーションと言えば、大人だけでなく、子どもにも伝わるものがあるのではないでしょうか?
過去には政治に利用されたアニメーションも存在します。
それだけ大きな力をもっている。そのことを自分たちも認めている。
アニメーションとしてフィルムに差別的表現を含む内容を刻み込んだ。
その支払い、報いはその場面を消すことだけでは成し得ません。
むしろ残しておくべきです。
それが大きな問題提起を生むのです。
その提起が大人だけでなく、子どもにも波及するのです。
過去に犯した過ちを焼き回す大人にならないよう願うなら、私としては残しておかなければならない場面だったと思います。