闇賭博の現金強奪事件を目撃した私立探偵（螢雪次朗）が、「天然のパイパン」を手掛かりに、真犯人となる女性を捜し出そうとする。痴漢行為を常習している私立探偵の捜索劇を描いている、新東宝配給のピンク映画。探偵黒田一平シリーズ。

大衆浴場で闇賭博を展開するヤクザ（久保新二）が、真犯人の盗撮映像から「パイパン」の情報をゲット。そして、その捜索依頼を請け負った私立探偵が、電車内で片っ端から女性の股間を調べ上げていく。

パイパンの魅力を知らされたヤクザが、少女ヌードに発情する場面が出色。「大人のヘアはNGだが、少女の天然無毛はギリギリOK」という、歪んだ倫理観がまかり通っていた80年代を、同時代的にスケッチしている（ちなみに成人ヌードのヘア解禁は1990年）。

後半部に入ると、探偵と助手（竹村祐佳）が知恵を振り絞り、現金の横取り作戦を決行。謎解きの地盤部分が、犯罪短編小説のようにしっかりしているため、ピンク映画であることを忘れて、ミステリーに見入ってしまう自分がいる。

• #エロ映画

パイパンに目覚めるヤクザの過剰演技が面白過ぎる。作品のダレ場も、ヤクザ役・久保新二のハイテンション演技でどうにか乗り切った印象。
2023-30

滝田洋二郎がどれだけ螢雪次朗を信頼しているか分かる。ポップなミステリー調の喜劇で、滝田洋二郎はすでにポルノの枠では収まらないほど堂々と「映画」を撮っているが、こてこてのギャグ、オチがどうしてもキツい。