ちくわ

ロニートとエスティ 彼女たちの選択のちくわのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

同性愛のチャラチャラした映画かと思っていたら、とても丁寧に作られた重みのある作品だった。
監督が『聖なる証』の人だった、納得。

キスシーンだけでも色気があり、ラブシーンもしっかり描かれていて、二人がどれだけ愛し合っていたのか理解できる大切なシーンだったと思う。

どちらの選択をしていたとしても正しかったんじゃないかなあ。
2人に必要だった事は結ばれるより、戒律を超えた自由意思をまず自分自身が認め、そしてそれを恥じずに周りに意思表示すること。
宗教とそれを信じる自身とは、心身一体のようで、そうではないのが本来は正しいんじゃないかと思うんだよね。

厳格な宗教の戒律を破った者に対しての無慈悲とも言える仕打ち。無慈悲ですらないかもしれない、だって、存在しなかったことにしてしまうんだもの。
ラビ(父親)にとって神の御心でこの世に誕生した娘が同性愛者だと、もう許されざる存在になるの?
じゃあ、なぜ神は神の代弁者でもあるラビの元に同性愛の娘を授けたのか。
それを紐解くことが本当に神を理解したことになるんじゃないの?
結局、姿なき神しか見ていなくて、目の前にある現実を見ないとする宗教は果たして、神が望む思想なんだろうか。
ちくわ

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