Nちゃん

ロニートとエスティ 彼女たちの選択のNちゃんのレビュー・感想・評価

3.3
超正統派ユダヤ・コミュニティで生まれ育ったロニートとエスティは互いにひかれ合うが、コミュニティの掟は2人の関係を許さなかった。
やがてロニートはユダヤ教指導者の父と信仰を捨てて故郷を去り、残されたエスティは幼なじみと結婚してユダヤ社会で生きることに。
時が経ち、父の死をきっかけにロニートが帰郷し、2人は再会を果たす。
心の奥に封印してきた熱い思いが溢れ、信仰と愛の間で葛藤する2人は、本当の自分を取り戻すためロニートは離婚を決意する。


「村社会」とでも言えるような、ユダヤ教のコミュニティの慣習や善が、そこに住む人の考えを縛ってしまうことが多いにあるが、実際宗教は束縛するものではなくて、導くものだと思うし、それは映画冒頭の自由と選択という話からも明らかだと思う。

映画を観ていると、宗教が同性愛を禁じ、人の自由意志を奪ってしまうように見えてしまうかもしれないが、宗教そのものを否定しているのではなく、少なくともこの映画では、宗教は自由を尊重するものであると伝えているところは、強調したい。

宗教問題に絡む恋模様なので、二人が恋に落ちる様子や惹かれ合う描写が少し弱く感じたのが残念だった。
数年ぶりに再開して想いが再熱したならなおさら、そこの描写が欲しかった。

あんなに惹かれ合っているのに妊娠が分かって一旦またさよならになるのが辛いね。
夫が理解ある人で救われた。
村の人やエスティを冷ややかな目で見る人たちはみんなうぜえ。

キャロルに似た雰囲気を持っている映画だと思った。
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