福福吉吉

ザ・クライアント 依頼人の福福吉吉のレビュー・感想・評価

ザ・クライアント 依頼人(1994年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
少年のマーク・スウェイは弟のリッキーとともに森に遊びに出たところ、男が車の中で自殺しようとするところを目撃する。その男はマークを見つけ、その男が殺人事件の真相と死体の在処をマークに喋り、一緒に死のうとする。マークは逃げ出した後、男は自殺する。マークは殺人事件の真相を知りたい検事に証言を迫られる一方、マフィアから証言すれば殺すよう脅され、女性弁護士のレジーに弁護を依頼する。

◆感想◆
再鑑賞でした(途中まで気づかなかったです)。

殺人事件の重要人物の自殺を目撃したために検事やマフィアから狙われることになった少年マークとその弁護士レジーの活躍を描いた作品になっており、大人を信用しないマークとかつて夫に子供を奪われた弁護士レジーの距離が少しずつ縮まっていく様子が印象的なものになっていました。

マーク・スウェイ(ブラッド・レンフロ)は少しやんちゃな少年ながら大人顔負けのしっかりとした考えと頭の良さを持ち合わせており、大人たちを煙に巻く姿は憎らしさと痛快さがあってとても魅力的です。マークの中には母の離婚時に酷い目に遭って以来、大人に対して警戒心を抱いていて、その部分が少し反抗的に見えてしまうのだと思います。

一方、弁護士のレジー・ラブ(スーザン・サランドン)は最初は事情をあまり話してくれないマークに対して手を焼いていましたが、お互いを知り、助け合ううちに信頼関係を築いていきます。定番だけどこの展開はやはり心があったかくなって気持ち良いです。それでもマークに引っ張りまわされる部分は多くて笑えました。

検事としてロイ・フォルトリッグ(トミー・リー・ジョーンズ)が現れ、マークに証言を迫ります。ロイは自分の事情を優先しており、マークの事情を斟酌していないので、当然のことながらマークから距離を置かれます。ロイは悪役ではないですが、マーク視点からすると厄介な存在で、ロイたち検察側とマーク側のやりとりは興味をそそりました。

本作の悪役であるマフィアのバリー・マルダーノ(アンソニー・ラパーリア)はあまり印象に残りませんでした。バリーの犯行である殺人事件の描写が無かったことが原因かなと思います。

ストーリーのテンポは良く、マークが常に危険に晒される状態であったため、ずっとハラハラドキドキして楽しかったです。

マークの痛快な立ち回りと愛らしさ、レジーの愛情深いサポートがとても魅力的で面白い作品でした。

鑑賞日:2023年12月23日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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