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0円キッチンのKUBOのレビュー・感想・評価

0円キッチン(2015年製作の映画)
3.8
世界の食料の3分の1が捨てられている。なんとなくわかってることだけど、こう目の前に突きつけられると、その量に圧倒される。

廃棄された食料を、一流シェフが料理して各地で振る舞おうという「0円キッチン」。

廃油だけで走るキッチンカーは、オーストリア〜ドイツ〜オランダ〜ベルギー〜フランスとヨーロッパ5カ国を巡る旅に。

スーパーの大量なゴミはパックされたまま。

各家庭の冷蔵庫に眠っている賞味期限切れの食品たち。

農家の出荷されずに廃棄される農作物。規格外の作物はスーパーには並ばない。大きすぎても、小さすぎてもダメ。

食料不足が叫ばれるアフリカから出荷されたバナナが、ヨーロッパで大量に捨てられているという矛盾。

各地で開く「0円キッチン」は大好評で、捨てられていた食品が美味しく食べられる矛盾をわかりやすく伝えてくれる。

オランダの「フリカデル」。余った牛肉や鶏肉の挽肉を棒状に固めたスナック食品なんだけど、謎肉の一種?

たいていのことは賛成だけど、昆虫食だけは勘弁してくれ〜! アジア、アフリカなど世界の20億人が昆虫を常食しているそうですが、どうぞご自由にw 私は絶対ムリ!

でも、ベルギーの政策が最高! ベルギーのスーパーでは廃棄が禁止に。売れ残りは毎日慈善団体が回収して貧困家庭へ! これだよ、これ!

日本でもスーパーやコンビニの大量に廃棄される食品をどうにかしてホームレスや貧困家庭の人たちにあげられないかと考えていたけれど、日本にも同じシステムができないかなぁ?

堅い問題を提起しているドキュメンタリーと思われがちだが、編集のテンポや音楽の入れ方も良く、たいへん見やすい作品になっている。

楽しく見て、今、世界が直面している問題をみんなで考えられる、素晴らしいドキュメンタリー。オススメします。
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