「ファウスト」

映画を前の席で観るのはあんまり好きじゃないけど、オペラは前でも全然良かった。
収穫！
オペラ好きの人に聞かれたら絶対に反感を買うのは分かっているけれど、音楽がとっつきにくく僕にはまだ早かったみたい。3時間半はとても長く感じたが、眠気が来なかっただけ自分を褒めたい。

ツェルリーナが結婚式の日にジョヴァンニ
にナンパされて揺れ動く所はイライラしてしまう、マゼットが可哀想！
それでも愛の囁きによって許してしまう男の性を目の当たりにして溜息がでる。
印象に残る演出はラストの炎に焼かれるジョヴァンニ。


女たらしの男は結局生き方を変えず、地獄へ堕ちた。
俺も地獄へ行くぐらいの男になってみたいものだ

軽妙で素敵なドン・ジョバンニでした

アンコール上映で観る。
タイトルロールのキーンリィサイド、この２年前に喉の痛みを感じて、そのシーズンをすべてキャンセル、甲状腺の手術をして療養の後やっと　十八番のドン・ジョバンニでMETに登場となったらしい。
　https://www.nytimes.com/2016/09/27/arts/music/after-setbacks-a-baritone-works-his-way-back-to-the-met-opera.html?mcubz=0
案内役のディドナートがその事に触れようとしていたが、全く応じず、自らのジョバンニ像を滔々と語っていた。
上記記事によれば、 METで歌うことの身体的負担から、医療措置を受けざるをえない歌手は実はかなりいて、できればそのことは伏せておきたいのが本音とこと。
なるほど厳しい .....

だが、そんなトラブルや見た目の年齢を全く忘れさせる歌唱。
なかなかエグいジョバンニ、冷酷で残忍な印象であった。
バス＆バリトンをたっぷり楽しめる演目、歌唱は少ないながらも騎士長のクワンチュル・ユンはばっちり地獄に引きずり込んでくれました。
ソプラノ勢も素晴らしかったが、メゾのセレーナ・マルフィ、キュートでございました。