しゅん

光のしゅんのレビュー・感想・評価

(2017年製作の映画)
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視覚障害者が映画を「見る」ために言葉を尽くす音声ガイドという仕事に光を当てたことがまず秀逸。ただ、言葉による説明の多さと被写体深度の深さにはテーマに対する誠実さを感じつつ、その正しさになんだか息苦しさを覚えたというのも事実。タイトルに違わず光の捉え方は抜群だったけど、あまりに光が使われすぎていたのも違和感の一因かも。永瀬正敏に顔を触れさせる時の水崎綾女の恍惚とした表情はよかった。

『光』と同じテーマを扱った作品として『ブラインドマッサージ』が思い当たるけど、後者が視覚障害者も他の人と同じように激しい心を持っているのだというメッセージを(いわゆる)健常者に向けていたのに対し、前者は視覚障害の当事者たちに向けて作られた映画という印象を持ちました。
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