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光のFHTのレビュー・感想・評価

(2017年製作の映画)
4.7
あー!!人間くせえー!!全身に映画が栄養として吸収されていく感じ!

この作品、映画館で観たかったなー。
永瀬正敏さんと水崎綾女さんの演技力凄い!

映画の視覚障害者向け音声サービス(副音声)を付ける仕事をしてる美佐子(水崎綾女)

冒頭、モニター会で実際に目の不自由な方に副音声付きで映画を鑑賞する。
ここで意見を聞いて形にしていくもの。
意見の中には "副音声として不必要な主観的情報" "無音を楽しむ場所に副音声が入り耳障り" など飛び交った。
親切心で事細かに言葉を入れたり、表情の意味を主観で説明するのは映画を楽しむ過程で邪魔かもしれない。
視覚障害者の想像力をナメてはいけない。

実際のところ。目を開けてある場所に立ち耳で聞くのと、目を閉じて同じ場所に立ち耳で聞くのとどちらが聞こえてくるかと言うと後者である。
目というものは聞くという事を妨げている事が分かる。
見えない分、情報を集めなければいけないからだ。

作中の会話にも出てきたが、映画を見る時 目の見える人はスクリーンの映像に入り込むが、目の見えない人は それよりも深く 映画の中に入り込む。まるで自分がその現場に佇むかのように。ハンデを与えられてない自分でも何故か少し羨ましいと思えてしまうワンシーンでした。


視覚障害者の中森さん(永瀬正敏)は、カメラマンで、ある日視界が極端に見えなくなった。それはもう治ることがなく日に日に視界が見えなくなっていく毎日と向き合い生きている。

そんな中森さんと美佐子はモニター会で出会う。
この2人の反発しながらも向き合い、助け合い惹かれ合う関係性凄く良かった。。


今作はもちろん副音声付での鑑賞も出来ます。目を瞑って鑑賞すると世界が変わりますよ。
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