ちぃ

gifted/ギフテッドのちぃのネタバレレビュー・内容・結末

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

★4.6 7歳のメアリーは叔父フランク(ボート修理)と片目の猫フレッドと共に暮らしていた。今まで自宅学習していたが、友達を作るためフランクが学校へ行くことをすすめる。そこでメアリーの担任のボニーは彼女の数学の素晴らしい才能(ギフテッド)に気付く。校長も知るところになりギフテッド向けの学校に奨学金を受けて入ることを勧める。しかしフランクはメアリーには普通に育ってほしいと転校することを拒否する。フランクの姉でメアリーの母のダイアンは天才的数学者でナビエ―ストークス方程式という物の解明まであと一歩となったが自ら命を絶ってしまった。彼女の母も天才的数学者で彼女も同じように育てようとしたが、ダイアンが妊娠してからは音沙汰すらなった。

ある日家に帰るとメアリーの祖母イヴリンが。メアリーの数学のセンスを見抜き、英才教育をするために自分がメアリーを引き取りたいと申し出るが、フランクはこれを否定、2人は裁判にもつれ込む。裁判にはメアリーの父である男性をも連れ出してきたイヴリン。実の父が今まで名乗り出てこなかったことにひどく傷付いたメアリーを病院に誘うフランク。産婦人科の待合室で待つ家族。分娩室から出てきて一丸となって喜ぶ姿を見てフランクはメアリーが生まれたときもこんな感じで喜んだよと告げる。裁判は進んでいき、フランクの経済力のなさ等に論点がいく。フランクの弁護士はこの裁判の裁判長は最終的に経済力で判断を下すのを知っていてフランクに折衷案の提示をする。メアリーを里親に12歳まで託し、学校はギフテッド向けの学校に行き、フランクとイヴリンそれぞれ面会できるという物。フランクは里親に会い、彼らの居住環境、人柄などを鑑み彼らにメアリーを託すことにする。決め手はメアリーの愛猫フレッドも一緒に暮らせることとメアリーがフランクにねだっていたピアノが家にあったこと。離れ離れで暮らすことになるフランクとメアリー。初面会日、里親の家に行くとメアリーは元気だがフランクに会いたくないと面会を拒否されてしまう。後日ボニーが図書館でフレッドが里親探しに出されていることをフランクに連絡する。驚いてフレッドを迎えに行くフランク。殺処分寸でのところで助かり家に連れ帰られるフレッド。猫アレルギーのイヴリンが絡んでいることを悟るフランクは、メアリーの里親のもとを訪ねる。そこには家庭教師とイヴリンにより数学を説いているメアリーの姿が。嘘をつきメアリーに数学を教えていたイヴリンに向かって、ダイアンが遺したナビエーストークス方程式の論文をたたきつけ、部屋を出て行ってしまったメアリーを追いかける。メアリーは以前フランクが2人はずっと一緒だと誓った約束を破ったことを根に持っていた。フランクはうちに帰ろうとメアリーを諭す。部屋へ戻ったフランクは論文の事情を話す。この論文はイヴリンが亡くなってからこの世に公表してほしいとダイアンに頼まれたと。この論文を発表すればその検証に少なくとも2年は費やすことになる。イヴリンは検証で手一杯で子供の面倒など見れなくなるだろう。論文を渡す代わりにメアリーを取り戻したフランク。新しい生活が始まる。メアリーは午前中大学で勉強、午後は今までいた公立の学校で友達と遊ぶ。

メアリーがめちゃかわいい。憎らしい感じとか。いつも思う。子どもの裁判の時になぜ子供に意見を聞かないのか。判断能力は確かにないのかもしれないけど、自分が好きな人と暮らすことを他人によって阻まれたりする権利はないといつも思ってしまう。子どもの誕生のシーンをメアリーに見せに行くシーンがすごくいい。考え方は1つではないと思うけどダイアンの死をどうとらえるか。母親からの呪縛に疲れたと私は思っている。才能は見出されたものの、数学しかない自分。子どもの立場に立った子供の育て方ができなかったイヴリンに対して、自分の娘にはそうなって欲しくないという最大の抵抗、その上数式の解明により自分の存在価値、生きる意味を失ってしまったんじゃないかと。いろんな部分で考えさせられた。素敵な話だ。子どもの才能を伸ばしてあげたいというのは簡単だけど、それが自分のエゴになっていないかよく考えるべき。私利私欲だよな。イヴリンみたいな母親にはなりたくない。
ちぃ

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