さわら

gifted/ギフテッドのさわらのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
2.0
オクタヴィア・スペンサー出演ということで、否が応でも『ドリーム』と比較してしまっていたのだけど、数億倍『ドリーム』が素晴らしいということを証明された(こんな作品に裏付けされてもなんの価値もないのだけれど)。同じ土俵に立つことすら烏滸がましい、あまりにお粗末!

『ドリーム』の良さは悪役と思えた人物をも取り込んで、学問の力で未知なる世界を夢想するところだと思っている。「勉強ってかっこいいぜ!」映画と言えよう。本作においてはそれが皆無。悪役を配し、法廷シーンを含め徹底的に対立構造を見せつけてくる(同情の余地はある悪でも、悪は悪だ)ので、観たあとの爽快感はぜろ。
それと人種配役のバランスも違和感あったのですが、自分だけでしょうか。

普通の生活はもちろん素敵だが、その幸福の描き方として、特別な生活を否定するのはいかがなものか(里親家族の描き方もなんなん)。突出した才能(ギフテッド)な彼らの生き方だってクソカッコいいのに、それを触れず一方的に“普通の家族愛”謳うのは、まさにサンドバッグ状態で優しくないなと思った。ラスト、2人の選んだその生き方もどうなのだろう。
とりあえず感動の押し売りのような映画で、あまりに都合よすぎ。解せぬ。

にしても、メアリー役のマッケナ・グレイスは素敵だった。笑うたび前歯がない分、めちゃくちゃ良かった。その分、いらいらする僕を和ませてくれた。

※チョークシーンに注目してもやはり『ドリーム』は至高。