菩薩

キシュ島の物語の菩薩のレビュー・感想・評価

キシュ島の物語(1999年製作の映画)
3.3
①ギリシャ船
どう考えてもクズ旦那のモラハラでメンタルが破滅した妻氏の話にしか思えなかったが…。海洋漂着物の行き着く先、その土地に住む者の不安や恐怖って事なのかしら。海上に堂々と佇む座礁船が強い。妻にするか紙にするか、神ともかかってんのかな。

②指輪
1ヶ月0円生活inキシュ島みたいな。大学受験の為に来たのに進学の為の金は無く、狂った様に働き金を貯めて御目当ての指輪を買う。がその指輪も自分の幸福の為に用いられる物ではない。普通に良い話。

③ドア
マフバルマフ版(言い難い)どこでもドア。私財を全て投げ打ち家のドアだけを抱え砂漠を歩き続ける老人と嫌がる仔山羊を引き摺り倒す娘。それなのにドアに貼り付けられた番地を訪ねて郵便配達は訪れるわ、職を求める謎の楽団は訪ねて来るわとうんざり。遂にはそのドアすら売っぱらってしまう筈だったが、ボロ過ぎて買取を拒否されてしまう、せっかく運んだのに…。


総評:全体的に微かに家父長性批判の様なものを感じるが、そもそもが観光ムービーらしく、こんな幻想的な空間がこの世に存在してるのか〜と取るのがおそらく正しい。マルバルマフの『ドア』が三編の中で最もシュールでありながら最も面白い。ただ正直そこそこ高い金出してまでソフト買う程では無かったかな…。
菩薩

菩薩