イチロヲ

新入社員 (秘)OL大奥物語のイチロヲのレビュー・感想・評価

新入社員 (秘)OL大奥物語(1980年製作の映画)
3.5
一流商社に就職した新入社員(日向明子)が、お局様(飛鳥裕子)をリーダー格とする先輩社員から嫉妬心を向けられてしまう。大手商社における色恋沙汰を描いている、日活ロマンポルノ。

「ギャル」がキャリアウーマンを意味する言葉だった時分の作品。日向明子が周囲の人々を俯瞰して眺めながら、少しずつ目上を食っていく展開が愉快痛快。「陽性の芹明香」は例えとして下手かも知れないが、個人的には日向明子のキャラ設定に大満足。

冒頭部、電車内で痴漢行為を働いている、性の伝道師(汐路章)の登場にワクワクさせられるが、彼が画面から退場しているあいだは、凡庸な艶笑喜劇に変容してしまう。突拍子もないことが起こりそうで起こらない、如何ともしがたいモヤモヤ感に苛まれる。

そもそも、有象無象のOLたちのドタバタ劇が基本なので、日向明子の露出自体が極端に少ないという難点あり。女優陣のコメディエンヌぶりを、総合的に楽しむための作品。
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