スリービルボードやヒットマンズレクイエムを手掛けたマーティンマクドナーの兄、ジョンマイケルマクドナーの作品。下品で暴力的な警察官の話。
レビューを書くのが少し難しい映画です。マーティンマクドナーも、兄のジョンマイケルも、作風はほとんど同じなんだけど、脚本のクオリティとブラックユーモアのレベルに差がかなりあるような気がします。今作は全体的に下品で、キャラクターたちの多くは暴力に支配されているし、口を開けば皮肉を言うか差別発言をするため、感情移入がし辛いです。嫌味なキャラクターが登場するのはマーティンマクドナーのスリービルボードとかヒットマンズレクイエムも一緒ですが、彼の作品の場合は脚本がほぼ完璧なのであまり気になりません。しかも多面的な人物像を描いているので、ラストには必ず心が暖まります。一方でジョンマイケルの作品は、責めたテーマの割にギャグが滑ってる時が多いです。そして人の悪いところをフューチャーした脚本のせいで、鑑賞後の感動が弱くなっています。もう少し物語のテーマを絞った方が良い映画を撮れるんじゃないでしょうか。ちょっと前にバディ警官物のブルータルジャスティスという作品を見ましたが、そちらの方が話はまとまっていました。
色々文句を言ったけど、ある神父の希望と絶望の7日間よりは面白かったし、ストーリーの展開も好きです。ジョンマイケルマクドナーの次回作も楽しみ。
そういえば弟のマーティンは、北野武のその男凶暴につきが大好きらしいけど、兄貴の方はどうなんでしょうか？
