片腕マシンボーイ

散歩する侵略者の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
2.8
風呂敷広げ過ぎた感
よくある入れ替わりモノやけど、広げ過ぎたおかげで焦点が定まってなかった気がすんのな

人間に擬態して社会に潜り込んだ宇宙人が地球征服してやんよ!って話

龍平さんとあっちゃん出てるしそのうち観なあかんな、思ってたんですがね
今イチオシの真宙くんと、「咲 阿知賀編」のくろちゃん役がめちゃ可愛かった垣松祐里ちゃん出てると知って、慌てて借りてきたよ!

MVPは宇宙人役の祐里ちゃんですわ!
「咲 阿知賀編」では最強の女子高生宮永照を前に目に涙を溜めながらも必死に食らいつく姿に、「頑張れくろちゃん!」なってキュンしたもんですが
本作では腕白な宇宙人役でしてね、追っ手を片っ端からブン殴る姿にキュンでしたよ!運動神経良いのなぁ、投げ飛ばされてみたいなぁ
「咲 −saki−」メンバーに続いて「咲 阿知賀編」からもひよりちゃんや祐里ちゃん、期待の女優が育ってきていて嬉しいなぁ!

龍平さんも安定のボケェっとした役だからピッタリやったし、うんうんこれでこそ龍平さんやで、ってほっこりしたし
真宙くんもイケメンやし存在感あるし良い役者に育ってておっちゃん嬉しいわ!え?あの両親から真宙くんは産まれん!

あっちゃんは、僕が黒沢清作品でダントツで好きな「Seventh Code」のヒロイン役以来の黒沢組でしたが…チョイ役でしたね、友情出演?終盤にまた出てきても面白い役だと思うんやけどなぁ
あっちゃんは映画好きが興じていろんな作品にチョイ役で出てて、いろんな映画で観れるんは嬉しいけど、チョイ役過ぎて寂しい事も多々あり

逆に本作で思わぬ出演で嬉しかったんは、インディーエロ映画の大スター吉岡睦雄ですよ!こっちはほんとにチョイ役やけど、まさかこんなメジャー作品で吉岡さんに会えるとは…思わず声でたもん「あ!今のカマキリ顔わ!」つってな

まぁ内容に関しては前述した通り、「遊星からの物体X」「光る眼」「ゾンゲリア」「仮面ライダーカブト」系の作品なんですが、それ系の作品はやっぱり疑心暗鬼から人々が互いに信用できなくなる描写って肝と思うんですよね
本作は規模がでかくなりすぎた事により、その疑心暗鬼感はいっさいなく、宇宙人が人間に紛れている、という設定から期待するものは見られない

では何が見れるのか?
人間の持つ概念を奪い人間として成長していく宇宙人の姿なんですがね、それが展開に何か重要な役割を果たしているかといえば疑問やし
「家族」の概念を奪われたあっちゃんの行動はわかりやすいが、「自分」や「〜の〜」等の概念を奪われた人物の行動は曖昧でよくわからない、練り上げ不足感がハンパない、もしくは練り上げたものを表現しきれていないのか?
まぁ「愛」の概念を得た宇宙人の行動だけが表現したかったのかな?それによるラストも凡庸すぎるが…

ちなみに、マシンボーイが嫌いな女優に長年君臨する長澤まさみですが、本作では可もなく不可もなく…
序盤の生まれたての子鹿のような龍平さんを病院に連れ戻すどころか心配する様子すらなくヤキモキしましたがね
ただ、唯一「もぅ、やんなっちゃうなぁ」ってセリフが可愛くて腹立つ!あっちゃんと役をチェンジして、あっちゃんに「もぅ、やんなっちゃうなぁ」って可愛く言って貰いたいわ!龍平さんとあっちゃんが夫婦役にして「モヒカン、故郷に帰る」の続編にしちゃえば良かったのになぁ、モヒカンの宇宙人とかカッケーし!

何!スピンオフは夏帆と岸井さんの共演だと?観ないと、夏帆も良いけど、やっぱり岸井さん…観ないと!

さてと、やっぱりマシンボーイの中で入れ替わり系作品ベストはジョー・ベゴス監督の「人間まがい」だなぁ!楽しいがいっぱい詰まった怪作やったもん、ほやほやのおっさん、ゲラゲラ
もちろんカーペンター版「遊星からの物体X」も好きだが、ワンコロに辛くあたるから減点!
ベゴス監督の新作観てぇなぁ、撮ってないのかなぁ?日本に入ってこないのかなぁ?