まず「概念」を奪う宇宙人という設定がとてもおもしろかった。宇宙人は人間を理解するために「概念」を集めているが人間からしてもそれは曖昧なもので、失ってからそのものの価値を改めて知ることができるというメッセージが映画を通してあったが、それを表現するのに「概念」を奪う宇宙人というのはピッタリだったと思う。
序盤は黒澤清ならではの不気味な違和感がすごくあったが、後半になると愛や人間の本質を考えさせられる哲学的な色が強くなり個人的にはどストライクな映画だった。
1年に一度、それぞれ違う人と一緒に見たりするとずいぶん感じ方が変わって見れそうだなと思った。