Narumi

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?のNarumiのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

同僚と鑑賞
理由:
以前からなんとなく無性に見たかったから
前情報:
・昔放送されたドラマや実写映画のアニメ化
・予告編
・初日に観た人のレビュー低評価、及び「君の名は。を期待して観にいくと肩すかしを食らう」「君の名は。よりも文学的作品」という感想


レビューは基本見ない主義&気にしない主義だが余りの酷評の嵐に見に行くかどうか躊躇ってしまった。
しかし直感と最後の感想を信じ見てみることにした。

結論からいうとこれはこれでありかなという感じ。
最後の感想を知らなかったらもっと低評価をつけていたと思う。
東宝は君の名は。が売れたから君の名は。路線を期待させるように宣伝したのだろうけど、ちょっとそれは間違いだったのではないかと。
聲の形やこの世界の片隅に等々によって今ならアニメ映画に対する壁も以前と比べて大分低くなっただろうし、普通に大々的に宣伝するだけでよかったのに。
てかこれテレビドラマ版はどんな感じだったんだろ……1年前にアニメ化のニュースが流れたときに「あの独特の空気は表現できない」って言われてたけども。

話について。
正直何というか「うーん……」って感じ。
ただ最後のなずなの「次はどの世界で会えるかな」的シーンのためだけの映画だと思えばありだなと(ララランドも冒頭のOPのためだけの映画だと思っているし、個人的にそういうのは嫌いではない)。
そんな熱狂的によかったとは思わないけど多分ふと数年ごとに夏になるとふと見たくなるような作品だったと思う。
あのガラス玉はその人が見たい世界を見せる幻想??的なものか? あのシーンは旧エヴァまごころを君にのLCL還元シーンを思い出したり。
最後典道がクラスにいなかったのはなずなと立場が入れ替わったから(離婚か何かで町を出て行ったとか)とか??
これから考察してかないと、ゆっくり噛みしめようと思う。

演出について。
ゴジラを見て「むちゃくちゃエヴァ」だと思うようにこれもむちゃくちゃシャフト。
見ていないけど物語シリーズ好きな人は演出だけで興奮できそう(キャラデザもそんな感じだし、個人的には少しアニメアニメしすぎて好きではないけど)。

キャストについて。
「怒り」の頃から広瀬すずに一目置くようにはなったけどまさか声優でも良い味出すようになるとは思わなかった。
なずなのキャラは現実的なJCとは違ってそれこそ文学作品にいそうな感じだけれど、広瀬すずの(完璧に主観だけど)少し絵に合わない声質と舌っ足らずで少し甘ったるい喋り方がちゃんとキャラを表現していたし、「この作品はリアルっぽさよりかはフィクションぽさ出していきますからね!」ってちゃんと作品の方から観客に主張していて準備させていたのでよかった。
また基本ミステリアスで感情がみえない喋り方をしているけれど典道に助けを求めるときの感情的な声の出し方はさすがと思ったし作品の緩急を上手くつけていた
逆に菅田将暉の声は典道のかわいいキャラデザとは合わなかったし、別に菅田将暉じゃなくてもと思った。
菅田将暉自体は良い役者だと思うけど、声優となると少し声がくぐもっていて聞き取りにくいかなとか思ったり。
なお一緒に行った同僚は「菅田将暉はよかったけど広瀬すずは違った」と真逆の感想を持っていたので正直人それぞれの好みかな感はある。
その他のキャストについては一流の声優さんばかりで自然だなと思ったものの、声優と役者と一緒に喋るような場面(友達同士の雑談とか)では違和感を感じた。
多分俳優同士、声優同士ならそういった掛け合いと自然に表現出来るんだろうけど、役者と声優が混じるとなかなかそうはいかないのかもしれない(声優さんが演じる自然な掛け合いって俳優さんからすれば結構アニメ的というか誇張されているように思える)
勿論これは「俳優が声優をするのに賛成反対論」とはまた別の話。

主題歌について。
前々から気になっていたDAOKOさんがこのような形で売れたのは嬉しい。
やっぱり良い声質と声の出し方感情ののせ方している。
演技面全く考えなかったらDAOKOさんがなずな役してもいいんじゃない?ってぐらいの独特の空気が良い。
この曲とても好きだし売れ線感あるけど少し君の名は。に引っ張られすぎてると思う(途中の掛け合いとか特に)。
勿論そういうオーダーだったんだろうけど、それが観客に君の名は。展開を期待させてしまってそれでこの酷評に繋がったんじゃないかなと。
どちらかというと挿入歌の「Forever friends」の方がこの作品の空気を表していると思うしこっちのが心を鷲掴みされる。
日本で流行りそうなのは日本語で歌える主題歌の方だろうけども。



PS.
サイト「物語る亀」の考察を見てこの映画をもう一度見たくなった。
原作小説は最低読みたい。

あと変な話、「夏」という季節に放映される映画は評価激甘になるなと思った。
眩しいくらいの青白のコントラストな空、蝉の声、じっとりとした空気とかいわゆる「夏」が伝わってきたらそれだけである程度 満足できる。
Narumi

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