hi1oaki

バーチャル・レボリューションのhi1oakiのレビュー・感想・評価

2.8
高橋ヨシキ著『ヘンテコ映画レビュー』で紹介されていて、どうにも気になって観てみた。

物語の舞台は2047年。そう『ブレードランナー 2049』の2年前…。この作品の製作・公開は2016年で、ブレラン2049は2016年に撮影で2017年に公開)。

どいつもこいつもロングコート。
高層ビルのネオンと廃墟のような街。
とにかくブレラン・ワナビーっぷりが凄い!

そこにニール・ブロムカンプの一連の作品の様な近未来SF感をプラスしつつ、さらには『マトリックス』くらいから始まって『レディ・プレイヤー1』や『フリー・ガイ』へと受け継がれる“仮想世界ログイン映画”も乗せてくる。意欲的と言えば意欲的なこの作品。
今思うとこういう現実世界に身を置きつつ別の場所に意識は飛んでいる…というアバター系映画(物語)の起源って『ネバー・エンディング・ストーリー(はてしない物語)』なんじゃないかって思う。当時はネットじゃなくて本に入り込むってやり方だけどね。

そんでこの映画。
NPCに情報を聞いてクエストをクリアしていくゲームみたいな作りで、とにかく作品上の情報が台詞で語られる。
“人通りが少ないから侵入しやすい”とかいうことまでモノローグで説明するばかりか、会話でも長々と状況説明をするのでテンポが悪い上に話を呑み込みづらい。

悪党(イカつい男)の端末でログインしてみたらエロい女だった…っていう、楽しい設定も巧く使い切れていない。
剣と魔法の世界の恋人が実は知り合いのオッサンだった…くらいの絶望感を見せてくれても良かったのでは?
予算の都合もあるんだろうけど、もっと面白くできたよなぁ…っていう1本。
ブレランになろうとせず、ブレランを利用した作品にすれば良かったのにと思う。

邦題がダサいように見えて実は原題通り!
hi1oaki

hi1oaki