よく言われている『グッドフェローズ』的語り口も、『バットマン リターンズ』的ダークテイストも、ただ表層的に“なぞっているだけ”という感が個人的には否めず、熱量が感じられず物足りない。
同監督の前作『アイ,トーニャ～』では演出に熱がしっかりこもっていたし、暴力描写等もストレートに描いていたので好きだったのだが、やはりフォーマットがディズニーとなると致し方ない辺りか…(※とはいえ、かつてディズニーは『スターシップ・トゥルーパーズ』というトチ狂った傑作を放っているので、あそこまでとは言わずとももう少し攻めてもらわねば)。
ただ、エマ・ストーンのハマりっぷりや、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の人がやった衣装デザインは流石の一言。さてとまたお口直しにS・クレイグ・ザラー監督作品でも観て、ホンモノの“悪”に恐れおののくとしよう。
