どこまでもお馬鹿で、どこまでも救いようがなく、そしてどこまでも愛すべき人たちーーーーと近づいていったら全力パンチでまとめてノックアウトされる!
『デッドプール』のように第四の壁を破りまくるけど、ありえないシチュを楽しむデップーと違ってノンフィクション。しかも徹底して挑発しまくるスタイルなだけに幼少期に非道い仕打ちを受けて(子役がマッケンナ・グレイスだからまたキツい)成長したトーニャに同情することすら断られ、ただただ眺めることしか許されない。
それはまさにフィギュアスケートで彼女が体験したある時は成功を喜び、またある時は失敗に快哉を叫ぶ観客の追体験そのもの。そんな好奇に満ちた厭らしい目線をふっとばすトーニャ。まさに彼女こそアメリカの善悪を体現していることを思い知らされた。
ママのあの行動はありえないほどクズだけど、もしかしてあれすらも焚き付けるためだったのかな…ママは「自分が愛されたように育てたかった」と言ってたけど、本当に愛されて育ったんだろうか?