あきら

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのあきらのレビュー・感想・評価

4.3
まず構成が面白い!
ラストに本物の演技ってのは、狡いけど上手いね。
こんなにキャラの立った人ばっかりさすがにフィクションだろと思ったら、かなり現実に忠実なのね⁈
トーニャに関しては、マーゴットロビーが厳ついだけに、本物はこんな若くて可愛かったんだって。なんだかしみじみと…


バカしか出てこない物語って、まぁたしかにその通りなのだけど、それ故にトーニャが不憫に見えてしょうがない。
彼女が暴れれば暴れるほど、ただ愛されたいだけの哀れな獣に見えていった。

母親がモンスターってのは同意だけど、実はそう珍しい人でもないのだよな。夫だってそう。
毒親といってもさ、あそこまで何もかも娘に投入できるのも、きっと生半可なことではない。
自己投影とかも入って奇形してはいても、愛情が皆無だとは思えなくてね。
依存して拗らせて、こういう人たちってわりにいるのに、トーニャの稀有な才能が平凡な人生を許さなかった。ような気がしてる。

女子が3A飛ぶのって、本当に本当に凄いことなんですよ!しかもあの時代に!!!
当時のフィギュア界当時のアメリカ的に異端だったとしても!トーニャにしか辿り着けない種類の美しさはたしかにあったと思うし、そこに届きかけていたかもしれないのにと思うと、残念でならない…

が、ラストのあの表現がね。
あの歴史踏み越えて、迷走しようが暴走しようがまだ彼女は生きてるんだ。ってちょっと殴られた気分になる。

今何してるんですかね?
幸せだったらいいね…
あきら

あきら