ハレルヤ

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのハレルヤのレビュー・感想・評価

3.8
フィギュアスケートで実力を発揮し、一躍時の人となるも、後にスケート界から永久追放されたトーニャ・ハーディング。彼女の壮絶な半生を描いた物語。

まずトーニャは自身も大概だけど、周りの人に恵まれなさすぎ。行動も言動もひたすら暴力的な母親に育てられ、自らも性格がねじ曲がり、DV夫のジェフとくっついて離れての繰り返し。その夫婦喧嘩によって警察沙汰も日常茶飯事。

そのジェフの周りもアホだらけで、あの有名なライバルのナンシー襲撃事件を本当に起こしてしまう。しかも証拠残しすぎ。周囲にベラベラ喋りすぎだし。

こんな環境ならいくら実力があっても、そりゃ転落も時間の問題。人を生かすも殺すも周囲によるところが大きいのを実感させてくれる物語でした。

複雑な気持ちになる話でしたが、映画自体は見所が多く工夫に満ちた仕上がり。

登場人物のインタビュー形式で進む物語に、その劇中の場面場面でも、その人物自らが状況説明するという特異な演出。

フィギュアスケートの大会でも臨場感あふれるカメラワークで、その演技に迫力を感じます。
これは劇場で見た方が良かったなと思いましたね。

1人1人のキャラが非常に濃いこの作品。
キャストの皆さんの演技もお見事。特に母親役のアリソン・ジャネイはオスカー受賞も納得の名演技!

冒頭からヤベぇ…と思うくらいのスパルタっぷりを見せつけてきます。それがずっと炸裂するんだから恐れ入る。しかもエンドクレジットで登場するご本人とそっくりだから余計に衝撃。

これが実話なんだから本当に凄い。華やかなイメージのあるフィギュアスケート界の光と影を描いた秀作。
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