Kazu

ヒトラー最後の代理人のKazuのレビュー・感想・評価

ヒトラー最後の代理人(2016年製作の映画)
4.0
評価も低いし、マークしてる人も少ないんだけど、
やっぱり気になる。

アウシュビッツ収容所
初代所長ルドルフ・ヘスの手記がベース
そして、イスラエル製作

アメリカが作った作品とは違い、英語を喋るドイツ人は出てこない。

捜査官アルバートとルドルフ・ヘス2人だけの取調室。
対峙する2人の横に、あたかも私も椅子ひとつ置き、ヘスの自白を聞いている様な錯覚に陥る作品だ。

何故?
収容所での残虐行為が行われたのか?
人間の仕業とは思えない行為に至るまでの精神、心のプロセスを引き出していく。

ルドルフ・ヘスと言う人間は何と自己憐憫な感情が強く、馬鹿な男なんだと思った。

あれだけの大量殺人を犯しながら、
収容所での作業が大変だったとか、
楽に一度に多くの殺人を実行出来るか。
その方法として、
シラミ駆除のための殺虫剤シアン化合物チクロンBを使用するのです。
その後の彼の自白は、
大量の死体を処理するのに大変だった、
悪臭に長時間耐えたとか、
お前は何を言ってるんだ💢と、叫びたかった。
聞いていて虫唾が走るとはこの事だ。

戦争や、その他の残虐行為を行う人の心には、必ずそれまでのプロセスがあるはず。
いきなり何十人、何百人もの殺人を犯せるはずが無いと私は思っていたが、

ヘスの様な教養の低く、自己行為の分析能力の欠如な自己愛の強い人間が存在しているから、戦争は無くならないんだ!
と知り愕然とした。

この作品は、ヘスを1人の人間とし、捜査官アルバートが冷静に苦悩しながら対峙していくシーンには心打たれる。

捜査官アルバート本人も残虐な行為に至る自白を追体験するかの様に精神が疲弊していき、バーで酒を飲み紛わす。
作中、音楽が流れるのはこのバーでのシーンだけ。
ドヴュッシーの「月の光」♬🎹

ベートーベンの「月光」♫🎹
物悲しく唯一、とても素敵なシーン。

そして、エンディング、貨車の走る音だけが響きクレジットが映し出される。

もっと多くの人が見るべき作品だと思う。

邦題がまずい❗️

ヒトラー関係無いし❗️
Kazu

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