MikuOshika

ダークレインのMikuOshikaのレビュー・感想・評価

ダークレイン(2015年製作の映画)
3.5
「パラドクス」のメキシコホラー監督の2作目。
若干29歳で前作を作り上げたことにも驚き。頭ん中どうなってんだ。
そして今作「ダークレイン」すごい。
哲学的心理ホラー(もはやブラックコメディ)
時代は1968年メキシコシティから少しばかし離れた村のバスステーション。
暗闇と土砂降りの雨。
妻の出産に立ち会うために帰りたい男ウリセス。
チケット売り場のじいちゃん
隅っこで謎の呪文を唱え続ける婆様。
バスステーションに飛び込んできた妊婦さん。
医学生となのる突然現れた若者。
医学生と共にやってきた病気がちな息子イグナシオとその母。
チケット売りのじいさんと共に過ごしている遣いの女性。
キャストはほとんどこの人たちだけ。
そして次々と発作をおこし泡を吹き倒れていく面々。
そして目が覚めたときには男女関係なくもっさりボリュームヘアの髭面男のウリセスと同じ顔になっているという
謎の現象。
その謎の現象がもうコメディに走り過ぎて
通り越して怖い。
その怖いをまた通り越して笑える。
話のオチもほんと哲学的で
現代の皮肉ともとらえられる。
個性を持たぬものは側からみればみな同じものにみえる。
いまのアイドルのようにみんな同じ顔になっていくという。
そして謎設定のあの病気がち少年イグナシオの能力だという設定もぶっとび。読んだ漫画、本を現実にすり替えれるという超能力。
そう、前作の「パラドクス」こそイグナシオの能力。っぽい。
パラドクスには及ばないけれど
なかなか面白みと斬新さがあってこれからも期待したい監督!
MikuOshika

MikuOshika