この監督、最近名前聞いたんだよな~と思ったら『イビルアイ』の人だ。ずーっと同じパラレルや交換をテーマに撮っているんだなあ。でも『イビルアイ』は女性が美を求めるという、よくあるテーマだし、呪術などどこか平凡だった。
でもこれはおかしい!最初のクレジットフォントが50年代風なのもお洒落だし、映画はよく観ている人なんだなとわかる。
大雨によってバスが運行せず、駅舎に取り残された、妻が出産中だというヒゲの青年。タクシーでかろうじて駅まで来た人たちや、最初から駅にたむろしているメキシコ人の怪しい呪術師の老婆や、奇妙な若い女性もいる。
だが、駅の切符売りのおじさんが、奥に姿を消したかと思ったら、顔中に包帯を巻いて戻ってきたことで皆は恐慌状態になる。おじさんは、最初からいたヒゲの青年に「おまえは悪魔だ!」と叫び出す。みなが疑心暗鬼になって大声でもめるなか、不思議な現象が起こっていく。
なんだこれは?!、という現象も、50年代の連続一話物のSFドラマなんかだと、ネタにつまってこんなのが紛れ込んでてもおかしくなさそう。最初に気づいた女性が「ははーん、そういうことね」と落ち着いているのも、思い返すともっと驚けと思う。いや、異様な発想だなあ。複数の人間が示すそれぞれの反応があるのも、映画らしさを増していて良いのでは。
ほんとにシャマラン的に、客を選ぶ映画だと思う。わたしは断然アリ派。