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ネルーダ 大いなる愛の逃亡者のmhのレビュー・感想・評価

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チリの詩人にしてチェゲバラに並ぶ南米における左派の巨人、パブロネルーダを題材にしたエンタメ映画。
共産党員であったため逃亡を余儀なくされる。その最中にもののした「大いなる歌」にあるテキスト(らしきもの)をモノローグにしてストーリーが展開するというハイコンセプトな作品。
刑事と逃亡者の対比とか、脇役の自覚とか、メタ的なことを独白しているため緊迫感はあまりない。
パブロネルーダが名前を与えたことで刑事がよみがえるという、へんな終わり方なんだけど、ホテルのネオンサインに照らされたガエル・ガルシア・ベルナルがかっこいいのでなんでも許す。
史実ではこのあと、世界初の選挙で選ばれた社会主義――アジェンデ政権が成立する。民衆に人気のあったネルーダが左派政権の実現に一役買っていることは想像に難くない。
そして、「チリの闘い」で描かれたクーデターの犠牲になってしまう。メリケンまじくそ。
南米の政治・思想・信条は、メキシコ・フランコ政権から逃げてきた人民戦線のひとたちによってかなりの影響を受けているね。
ざっくり、アフリカをひっかきましたのはイギリスとフランスで、南米はメキシコとアメリカの影響が強いってことかな。
未見の「イルポスティーノ」は早く見よう。
難解だったが面白かった。
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