ネルーダ 大いなる愛の逃亡者の作品情報・感想・評価

ネルーダ 大いなる愛の逃亡者2016年製作の映画)

Neruda

上映日:2017年11月11日

製作国:

上映時間:108分

あらすじ

第2次世界大戦の終結から3年、ビデラ大統領は共産党員のネルーダを弾劾した。逮捕されるか逃亡するか? 大統領は直接警官ペルショノーにネルーダの逮捕を命じる。 ネルーダは追われる身として新たな生活にインスピレーションを受けながら、代表作となる詩集「大いなる歌」を書く。 ペルショノーが追いつくと姿をくらます、追いかけっこの連続だ。 ネルーダはわざと手がかりを残すことでペルショノーと戯れ、追跡ゲ…

第2次世界大戦の終結から3年、ビデラ大統領は共産党員のネルーダを弾劾した。逮捕されるか逃亡するか? 大統領は直接警官ペルショノーにネルーダの逮捕を命じる。 ネルーダは追われる身として新たな生活にインスピレーションを受けながら、代表作となる詩集「大いなる歌」を書く。 ペルショノーが追いつくと姿をくらます、追いかけっこの連続だ。 ネルーダはわざと手がかりを残すことでペルショノーと戯れ、追跡ゲームはより危険なものに、2人の関係はより密接なものになっていくのだった・・・

「ネルーダ 大いなる愛の逃亡者」に投稿された感想・評価

たそ

たその感想・評価

4.0
史実と虚構の狭間の映画

ネルーダの映画ではなく、ネルーダっぽいネルーダが好きそうな映画。。。

雪山での逃走劇は美しく、スペイン語は心地よい...
ろびん

ろびんの感想・評価

3.9
ナレーションで紡ぎ出される美しい言葉の数々。同じくラテンつながりの「biutiful」とか「夜になるまえに」が少し思い出された。
国外逃亡をする共産党員の詩人ネルーダと、ネルーダを追跡する警官ペルショノーのお話。
追いついて逃げ切るネルーダ。ネルーダの足跡に置いてある詩を読み、ネルーダの世界に引き込まれていく警官ペルショノー。
この逃走劇、追跡劇はネルーダの創造の世界なのか?
お互いに相手を想い、磁石のような距離感を保ちつつ存在を確かめたい二人。
後半にかけての展開が良かったです。
実際の国外逃亡はもっと過酷な旅だったのかも。ネルーダが自分自身の詩で苦難に意味を持たせたような気がします。
追逃走劇だけど、独特のテンポ、どこかロードムービーのような感じもした。ほのぼの系の出で立ちなのに、結構挑発的な感じのネルーダ、彼を追う警部にガエルくん。このガエルくんすごく麗しい。眼福。ナレーション多めかつ心地よい声で寝落ちを必死に阻止しながら観た
‪パブロララインの
オペラ的に解決へ向かう
ストーリーテリングが魅力。

会話のシーンもオペラらしいが、
クライマックスに歌姫はいない。‬
miyayuki7

miyayuki7の感想・評価

3.7
この例えは適切じゃない気がするけど、マジックリアリズム的というか、南米文学らしさが感じられて割と面白かった。青みがかった色調も品があって美しい
いわを

いわをの感想・評価

2.8
情緒的で詩的な作品
やや難解で、作品の焦点の当て所が明確でないので少し退屈に感じる
全体的に不思議で他にない作風な作品です(^^)
奇妙な映画だったなー。まっとうな伝記映画というわけでもなく、サスペンスというにはあまりに呑気だ。ルパンと銭形のような奇妙な愛の形も感じる。全体を通しての語られ方とか、実在するネルーダとフィクションとしてのペルショノーとがだんだん溶け合う様とか、次々と場所を変える会話シーンの撮り方とか、南米文学っぽさなのかなと思ったり。あと『No』でも思いましたが、パブロララインさん、レンズフレアが凄まじい。
watsipec

watsipecの感想・評価

4.0
Se ven unos aspectos reales del comunismo..., parece
ナタリー・ポートマンがジョン・F・ケネディ元大統領夫人であるジャクリーン・ケネディを演じた作品「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」で初の英語作品のメガホンをとったチリ人監督パブロ・ララインが、同じ年に手がけていた作品。ノーベル文学賞を受賞したチリの詩人パブロ・ネルーダを描いた作品で、第二次大戦後、時の政権から追われ、逃亡生活に入った彼の逃避行に焦点を絞っている。

もちろんパブロ・ネルーダは登場するが、主役はむしろ彼を執拗に追跡する警察官ペルショノーと言ってもいい。物語を進行するナレーションもペルショノーの言葉で語られる。まず逃亡をしながらも、享楽的な生活を送るネルーダに対しての苦々しいコメントからナレーションが始まる。この時点で、ナレーションに若干の違和感は覚えるものの、逆に不思議とネルーダという人物への興味が湧く。

ペルショノーはおそらく脚本上で設定された人物で、大統領から直々にネルーダを追う役目を託されたという設定。物語はこのペルショノーとネルーダの追いつ追われつの逃亡劇を中心に進行していくのだが、ネルーダはその度にペルショノーの手から逃れていく。しかも彼は、明らかに追っ手に対して彼のメッセージが書き記された著書を残していく。ペルショノーはそのネルーダの著書を読みながら、彼への追跡劇を止めることはない。そして、いつしか追うペルショノーと追われるネルーダは一体化していくのだ。

まず、この追っ手をナレーションに設定した脚本の巧妙さが光る。追う者がいつしか追われる者と同一の思考の中に溶け込んでいく姿は、安部公房の小説「燃えつきた地図」を思わせるし、このペルショノーを演じたガエル・ガルシア・ベルナルの演技も素晴らしい。彼はパブロ・ララインの「NO」でも野心的な広告マンを演じていたし、アレッハンドロ・イニャリトゥ監督の「バベル」でも印象的な役を演じていた。ネルーダ役には、チリの人気コメディアンであるルイス・ニエッコが演じている。

パブロ・ネルーダを描いた作品であると同時に、彼の著作に影響を受けた人たちを、このペルショノーという人物を通して描いているところが、パブロ・ラライン監督の一筋縄ではいかない巧みな表現力といっていいかもしれない。とくにネルーダが政治的闘士であり、人々を鼓舞する優れた詩人であり、かつ享楽的な人生賛美者であった面も余すところなく描いており、多面的な人物造形が作品に深い陰影を刻んでいる。間違いなく、チリを代表する監督であり、次回作が待たれる才能だ。
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