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私たちはどこに行くの?のsonozyのレビュー・感想・評価

私たちはどこに行くの?(2011年製作の映画)
4.5
ムスリムとクリスチャンが暮らすレバノンの人里離れた小さな村の物語。

この物語について語られるプロローグ。
振付けを入れながら、内戦で失った息子たちの墓参りに向かう喪服の女たちの中に、美しいアマル(ナディーン・ラバキー監督)もいる。

地雷が残る村。外に出るには有刺鉄線の残る細い道だけ。
そこをバイクと台車で行き来し、生活用品などを仕入れてくるのは二人の少年。
ある日二人は村でTVを見るためアンテナを運び込み設営。
市長は村人たちを集めて皆でTVを見て盛り上がる。

「ムスリムとクリスチャンの抗争が..」というニュース番組に目を止める男たちに女たちはTVから気をそらせるように騒ぎ出す。
共存しているとは言え、男たちは宗教対立心でもめ事も多く、一触即発の状況なのだ。

カフェを営むアマルや女たちは、ウクライナ人のセクシーなダンサーを連れてきてみたりと、様々な工夫でアホな男たちの争いを激化させないようコントロールしていく。
しかし、ある日悲劇が起きる・・・

宗教対立というセンシティブなテーマを、ユーモア、LOVE、ミュージカルなどの要素を織り交ぜながら仕立てたのはさすが最高傑作『キャラメル』のナディーン・ラバキー。
タイトルと併せラストも秀逸でした。

ストーリーもですが、ナディーン・ラバキーのエキゾチックな美しさに魅了されます。

カンヌ国際映画祭: フランソワ・シャレ賞、エキュメニカル審査員特別賞
ストックホルム国際映画祭: 最優秀脚本賞&音楽賞
サン・セバスティアン国際映画祭: 観客賞(Best European Film)
トロント国際映画祭: People's Choice Award
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